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世界経済、日本経済を注視しています。 サブプライムローン問題、世界同時不況、国内外株式の行方、新興国経済、為替動向、資源高・原油高、税制改革やインフレ率・雇用統計などの経済指標について、旬なトピックについてコメントしています。
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G7会合において、金融機関への公的資金の直接注入を行うことで基本合意に達したようです。

しかし、問題はその中身。どれだけ注入する必要があるかは、各金融機関が保有する証券化商品の時価によるが、なにせ不透明。時価というからには、市場で売買が可能でなければならないけど、どんな債権(質)がどれほど(量)組み入れられているか、ほとんど把握不可能なので、そんな不明瞭な商品を買う買い手がいない。

なので、時価は、金融機関が独自の算定を行うことが必定なのですが、都合のいいような算定がなされる場合があります。少しでも高く売りたいと金融機関は考えるので、高めに見積もるかもしれません。その場合、注入額を下回る額しか回収できないので、差損は納税者の負担になるので、納税者が納得しがたいでしょう。

日本の不動産バブル崩壊後の公的資金注入に際して、担保は主に大型の不動産(ビルなど)なので、算定は比較的手間がかからなかったのですが、今回の証券化商品はサブプライムローンが主であり、いわゆる小口の住宅ローンをかき集めて、混ぜ込んで、さらに複数の証券に分散させて再小口化していて大変複雑です。もともとの担保の不動産が小さな住宅で、その数は膨大なため、大変な手間(=算出コスト自体も相当掛かる)がかかりそうです。

出来るだけ迅速に、また正確に、評価コストをあまり掛けずに、算定できるのが望ましいのですが、今回の証券化商品はいずれも当てはまりません。動きだしは早いのですが、確定までには相当時間が掛かりそうです。もたもたしていると、中堅から地方の中小金融機関の破綻が相次ぐ可能性があります。
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FRBは、企業が発行する短期債券のコマーシャルペーパー(CP)を直接買い取る仕組みの創設に動きました。

CPも市場で売買できますが、金融収縮から流動性がなくなっていました。

しかし、これだけではまだ不十分だという声も聞かれます。あと、どのような対策が打てるでしょうか。協調政策金利下げは、かなり現実味を帯びてきたようです。
シティより好条件のため、ウェルズ・ファーゴに売却先を決めたワコビアですが、シティは、裁判所からワコビアと再調整できる権利を得ました。

シティは、国内銀行業務の体制作りにワコビアが欲しいらしく、ワコビアの売却先が確定するのは、やや先のようです。

早く決まれば何でもいいという訳ではありませんが、再交渉するからには、ウェルズ・ファーゴの条件を上回る条件を提示する必要があります。ただでさえ、サブプライムローン関連で多額の損失を計上しているシティに、どれほどの余力があるのか分かりません。さらなる好条件を提示すると、ワコビアを抱えることによる不良債権額が、投入した資産以上になるなら、シティにとってもよいことではありません。

先日、不良債権処理法案が上下院で可決されたことを受けて、仕組み(ワコビアの本支店、顧客ネットワーク、人材)や優良資産だけを受け入れて、不良債権は処理機構に売却(押し付ける)つもりでしょうか。そうならば、財務上よくなりますが、あまりに虫のいい考えなので、シティのCSR意識に疑問符がつくかもしれません。
先日、シティに売却することで合意していたワコビアは、これを撤回し、ウェルズ・ファーゴと合併することになりました。

シティが買収して、ワコビアの債権で損失が膨らめば、連邦預金保険公社(FDOC)が補填することになっていましたが、今回のウェルズ・ファーゴとの合併では、必要がない限り、FDICに頼らない模様です。

経営がうまくいくかどうか分かりませんが、何でもかんでも政府に頼りきると、モラルハザードにつながります。今回のケースは正しい選択なのかもしれません。
豪州の独禁当局は、鉄鉱石開発会社のBHPビリトンが、同業のリオ・ティントの買収が独禁法上問題ないと判断し、承認。これで、合併後の会社は世界市場で4割のシェアを持つことになりました。

日本市場に限っては、両社が占めるシェアは6割。独占的支配者とみなせるかもしれません。日本の公取委が両社にリスニングしているようですが、回答を拒否しています。

何もやましいところがないなら、素直に聴取に応じればいいはず。このまま合併を認めてしまうと、競争が働かなくなり鉄鉱石が高騰する可能性があります。当局が規制できなければどうしたらいいのでしょうか?

BHPビリトンは上場されており時価総額は約1800億ドル。リオ・ティントは約1200億ドル。合わせて3000億ドルの超大企業。しかし、日本企業で鉄鉱石に関わる大企業(製鉄会社、総合商社、自動車メーカー、電機メーカー、造船会社など)が、両社の株式を買い進めるというのはどうでしょうか(これらの日系企業が結託して買い占めると、また問題があると思うので、あくまで投資の一環として各社が個別に買っていく)。簡単に、1社が1%(約30億ドル=約3000億円)を買うとして、50社が買えば過半数を超えます。トヨタや新日鉄などは、3%から5%くらい(約9000億から1兆5000億円)くらい買えるかもしれません。たとえ、供給側として独占的支配者になっても、株主である日系企業の意向は無視できません。株主の意向を無視して鉄鉱石を高値で取引したとしても、両社は利益が向上するので、株主である日系企業にも配当が回されます。3000億円分持っていたら、配当利回りが数%で軽く100億円を超えると思います。

トヨタさん、新日鉄さん、三菱商事さん、これらの会社の株式購入をしないのでしょうか?
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